2019年に差し掛かる今、米国ではどんなビジネストレンドが予想されているのだろうか。

1. 消費者がデータのコントロール権をもっと求めるようになる

欧州連合(EU)は今年の5月に、個人情報に関して世界で最も厳しい規制とされる「一般データ保護規則(GDPR)」を施行した。

EU圏で使われるウェブサイトに訪れたことがある人は見たことがあるかもしれないが、ほとんどのサイトでクッキーの使用を同意するかどうかを選べるポップアップが出るようになっている。

米国だけでなく、日本でもまだ個人情報のデーターの取り締まりはそこまで厳しくはないものの、その波が今後日本にも訪れると考えられる。消費者から同意を得ずに情報を得たり、個人情報を買い取るようなことは出来るだけ避けたほうが良いだろう。

2. 融資を受ける方法が変わる

銀行以外から融資を受けるケースが過去数年のうちに増えている。

特に小さなビジネスやスタートアップの80%が銀行からローン申請が却下されていることを考えると、2019年もこれまで以上に、銀行以外での資金調達の必要性が高まると考えられる。

その一つのオプションとして注目を浴びているのが「P2P lending (peer-to-peer leanding)」である。P2P lendingとは、ローンを借りたい人と資金を運用したい人をオンライン上で直接マッチングし、オークション形式などで結びつける仕組みを指す。

日本でもP2Pレンディングを提供するサービスも出てきており、今後ビジネスを始める企業にとって資金調達の場となるであろう。

3. パーソナライズ化したユーザーエクスペリエンス

波紋を呼んだのが、Epsilonが2018年に出した調査レポートの「80%の人が、パーソナライズ化したユーザーエクスペリエンスを提供したブランドで購入する」という結果である。

「パーソナライズ化したユーザーエクスペリエンス」と言っても方法は色々とある。調査結果によると、一番挙げられた方法は、ユーザーの居住地に合わせたクーポン提供、ユーザーが一番使うプラットフォーム上でのコミュニケーション、過去の購入履歴をもとにしたオススメであった。

2019年はパーソナライズ化したサービスの提供をぜひとも心がけたい。

実際に、ファーストフードの「Dunkin’ Donuts」は、ロードアイランド州の競合の顧客をターゲットに行ったクーポンのキャンペーンで、3.6%のクーポン利用率が見られ、さらに実際に利用した人たちがSNSに投稿するなどの効果を得ることができている。

その他にも、パーソナライズ化したサービスの例として考えたいのが、コミュニケーションツールの変化である。これまで使われてきたライブチャットよりも、会話を要しないショートメールやSNSを好む人が増えている。また人工知能を使ったチャットボットも人気である。調査結果では49%のビジネスが週に1回はチャットボット機能を使っているとのこと。

ユーザーが好む、効果的なコミュニケーションツールを今後ビジネスは開拓していかねばならないであろう。

4. CSR活動をしないビジネスは今後行き詰まる

CSR活動はここ数年間注目を浴びてきており、CSR活動を行わないビジネスは今後成長が厳しくなるであろう。その例に2018年には、資産運用会社Blackrock は資金運用の際には社会的責任について考えながら行うという方針を発表している。

またFacebookの創業者のマーク・ザッカーバーグ氏も、今後Facebookのアルゴリズムを変更してビジネスではなく家族や友達の投稿を優先してフィードに出すようにすると発表しており、会社の利益を損なってでも社会的責任について重く捉えている。

2019年にCSR活動を積極的に行いたい人がぜひ参考にしたいのが、アウトドア用品ブランドの「Patagonia」である。たくさんのCSR活動を行っており、その中には従業員のボランティア活動、社会的責任を重要視するサプライヤーを選ぶこと、そして環境保全への寄付などを行っている。

5. サブスクリプション型ビジネスの急速な成長

米国では特にサブスクリプション型ビジネスの成長が急速に見られ、今では年間ではそこまで大きな変化はないものの、月に1%の成長率を見せるほど、まだまだ成長が見られている。

特にサブスクリプションボックスが有名で、サブスクリプションボックスを提供するブランドも食材から美容、アパレル、ライフスタイルなど様々である。だが一方で、まだニッチな業界を選べば、サブスクリプションビジネスに成功する余地はある。

例えば、活版レターとスタンプが入った文房具のサブスクリプションボックスで月額20ドル、愛犬のためのサブスクリプションボックスで月額21ドルで成功を収めるビジネスもあるなど、正しいターゲットを狙うことで可能性は無限である。

またサブスクリプションビジネスを展開する企業の方が他の企業よりも、売上を5.5倍に増やす傾向にあるとも言われている。これはサブスクリプションビシネスの方が消費者が注文する回数が3倍になるからである。

日本ではサブスクリプションビジネスを始める企業が少しずつ増えつつあるものの、まだまだ主流ではなく、成長の余地がある。

Subscribe Japanでは今後もこのサブスクリプション型ビジネスにフォーカスしたニュースを発信し、世界中のサブスクリプション型ビジネスの動向を知ることが出来る場にしていきます。今後ビジネスを始める人、または新しいビジネスの方向性を模索している人にとってヒントになればと思います。