サブスクリプション(定額制サービス)型ビジネスは、様々な業界で見られるようになっている。最近では大手インターネット企業がゲームのサブスクリプションビジネスに乗り出すニュースでも注目を浴びている。

そんなサブスクリプション型ビジネスだが、ただ会員やユーザーを獲得して終わりではない。会員やユーザーから長く信頼を得られるよう、様々な工夫が必要である。今回は、そのために使える5つの戦略について紹介する。

1. 競合の動きを観察して、常に市場にあった料金設定を提供する

料金設定が妥当でなければ、ユーザーはサービスを利用してくれない。安すぎると、サービスの価値や質を疑われ、高すぎるとサービスにお金を払わないまたは不満を抱えて後から返金を要求される可能性もある。

サブスクリプションサービスでは、料金設定は一種の戦略である。新しいビジネスが市場に参入してきた場合には、競合のサービスや料金設定を確認することが重要である。ユーザーから選ばれるビジネスを展開するには、常に競合との比較の中で市場にあったサービスの提供が求められる。

またこの際に留意しておきたいのが、ユーザーの解約率である。サブスクリプションの平均解約率は、3ヶ月。この3ヶ月を超えてもサービスを利用してもらうためには、割引など特典をつけるなどしてユーザーを引き止めるような工夫が必要である。

2. ユーザーとの強い信頼関係を築く

Eコマースのビジネスでは、ユーザーがサイト訪問をして商品を購入したあと、企業側からどんなにメールを送っても、二度とそのユーザーにリーチできないことがよくある。だが、サブスクリプション型ビジネスにおいて、このユーザーとのやり取りこそが成功の鍵である。

サブスクリプション型ビジネスでは、新規獲得よりも解約率を抑えることがより重要になる。ユーザーに長くサービスを使ってもらうためには、アップセル(検討中の商品や以前購入した商品よりも高額なプランに乗り換えてもらうこと)やクロスセル(商品の購入を検討しているユーザーに、別の商品もセットにして購入してもらうこと)の手法をとることができる。また、ライブイベントを開催することで、ユーザーと実際に交流することも可能である。

他にも、「顧客メッセージプラットフォーム」を使って、ユーザー個人に向けてメッセージや動画を送ることも、ユーザー一人一人と関係づくりを築くために効果的である。

3. お金と指標について理解を深める

会社のお金と指標は、ビジネス全体の安定性を測るために必要不可欠。

解約率について理解するためには、まずライフタイムバリュー(LTV)と月次収益(MRR)をおさえることから始めよう。

ライフタイムバリュー(LTV)とは、「顧客生涯価値」とも呼ばれ、最初の接触から、関係性が継続する限りの間に、企業がユーザーから得られる収益の総額を算出する指標を指す。一方で、月次収益(MRR)とは、企業が30日間(1ヶ月)の間にあげられる収益を予測して算出する指標を指す。

そのため、定期的な支払いが行われなかった場合には、それを今後防ぐための対策をとることが重要である。そのために、ユーザーの支払いに関する分析を行うことで、対策が必要な部分を早めに察知することが可能である。

(参考記事「サブスクビジネスで重要な「解約率」。その種類と、解約率を下げるための3つのステップ」)

4. 質の高いコンテンツ作り

ビジネスコーチであるJames Schramko氏や、 Ezra Firestone氏は、ブログや有料会員限定コンテンツで、読み応えのある質の高いコンテンツをユーザーに提供している。

動画からポッドキャストまで、コンテンツの種類にも幅がある。これらの質の高いコンテンツをどう配信するかも成功の分かれ道である。広告やメールなど、その戦略は様々である。どの戦略やコンテンツの種類を選んだとしても、企業としてコミットできるスタイルのコンテンツ作りと配信方法を築くことが重要である。

コンテンツは、ユーザーに興味関心を持ってもらう最初のタッチポイント。そのコンテンツ次第で、ユーザーに再訪問したいと思ってもらえるかが変わる。

5. リファーラルマーケティング(友達紹介)を導入する

リファーラルマーケティングとは、友達紹介キャンペーンである。Annex Cloudでは、リファーラルはその他のチャネルよりも3〜5倍のコンバージョンを発生させると述べている。その効果が証明されているものの、リファーラルを導入するビジネスはそこまで多くない。

だがサブスクリプションサービスでは、このリファーラルを大いに活用できる。口コミはビジネス成長においては欠かせない存在である。リファーラルを導入する場合には、金銭的モチベーションなどを使って友達紹介をするメリットを語ることも重要である。

ユーザーが利用したくなるサービスや商品を作ることは、ビジネスにおいて欠かせないが、ビジネス成長のためにはユーザーとの信頼関係作りも重要である。自分の提供するサービスを信じるユーザーほど、継続してサブスクリプションに登録をしてくれるため、全体的な解約率の減少につながる。