Appleが今年3月に米国とカナダで開始した、定額で300以上の雑誌や新聞が読み放題となる「Apple News+」を、ついに英国 (イギリス) と豪州 (オーストラリア) にてサービスを開始した。

英国では月額9.99ポンド、豪州では14.99AUドルで利用ができる本サービスでは、米国とカナダですでに提携先である「The Wall Street Journal」、「Rolling Stone」、「Vox」などに加えて、英国メディアである「The Time」や「Sunday Times」、「Hearst UK」(Cosmopolitan、Elle、Esquireなど)などの新聞・雑誌コンテンツにアクセスが可能。

News UKが展開する「The Times」や「Sunday Times」は、すでに定期購読ビジネスを確立しているメディアとしても知られる。7月にはデジタル定期購読者だけで50万人を突破しており、初めて紙媒体の定期購読者数を超えた。さらに、特定の回数だけ有料コンテンツを閲覧できるメール登録者数は、375万人にものぼる。

「Apple News+」の提携先になるメリットとして、各メディアが独自で展開している定期購読ビジネスの購読者数を増やすことができることが挙げられている。しかし、すでに長い間デジタル定期購読ビジネスを展開しており、成功しているメディアほど「Apple News+」の提携先になる魅力が低いという。その理由として、独自のサービスのユーザとの「カニバリゼーション」がある。そのため、Appleの懸命な説得にも関わらず、「The New York Times」や「The Washington Post」などの大手メディアは「Apple News+」には参加していない。

参加している大手メディアには「The Wall Street Journal」や「The Times」があるが、独自のサービスでは提供していないコンテンツをApple側で提供するなど、差別化を図っている。

この「カニバリゼーション」に関しては、多くのメディア企業の間で懸念として上がっており、実際に「The Wall Street Journal」などの会社ではユーザのカニバリが見られていると述べている。

このような懸念はありつつも、何億人も存在するiPhoneユーザにリーチできることは魅力であり、「Apple News」経由の利益はそこまで大きくなくても、獲得できるトラフィック数に満足しているメディアも多い。