海外で人気の日本のお菓子をサブスクリプションボックスとして提供しているのが『Bokksu』である。海外ではなかなか手に入らない、日本の職人技ともいえる豊富な種類のお菓子が、オレンジの箱に入って届く。

Bokksuの創業者であるDanny Taingは、中国系アメリカ人で、4年間東京の楽天にて働いていた経験を持つ。大学生時から日本食に興味を持ち日本にも訪れており、米国に帰国後はニューヨークに拠点を据えて、このBokksuビジネスを始めた。

2015年にビサービスの提供を開始してから、11人規模の従業員で現在数百万個の箱を合計75ヵ国に届けている。世界規模でビジネスを展開するBokksuでは、ニューヨークまで商品を配送するのではなく、大阪にて受注から配送までのプロセスを一元管理している。Bokksuでは無料配送も行っており、今では顧客の40%が米国以外からと、世界中で人気を高めている。

これまで人気を呼んだお菓子の中には、日本でよく親しまれるフランスのお菓子「ラング・ド・シャ」がある。その他にもたくさんのひとが驚いたのが、名古屋のQuaが作るホワイトチョコレートが染み込んだフリーズドライのイチゴ(世界初の独自製法)で、中には「人生でこれまで味わった中で一番美味しかった」とコメントした人もいた。

Bokksuのチームはボックスに入れるためのお菓子探しにも手は抜かない。昨年の夏には「Memories of Hokkaido(北海道の思い出)」と題して、札幌生まれのミシュランシェフである山田チカラさんと共同で、北海道の人気お菓子が詰まったボックスを提供している。

日本のお菓子を提供するサブスクリプションボックスは他にもあるものの、Bokksuでは日本の「本物の味」を提供することをモットーに他社と差別化を図っている。

しかし日本の本物の味がそのまま受け入れられる訳でもないようである。サービスを始めた頃、Taing氏はようかんなどの和菓子を提供し、「本物の味」を届けていた。しかし小さく切って抹茶と一緒に食べてもらいたいというメッセージを読まずに、多くの人がそのままかじりついて食べたこともあり、できるだけ餡子を使った和菓子を避け、そのまま食べられるお菓子にシフトしたという経緯もあったようである。

また、Bokksuのボックスには箱の開け方のビデオや「味わい方ガイドブック」が付いており、入っているお菓子に使われている材料、アレルギー情報、メーカー情報が書かれている。また、食べるひとに向けてそのお菓子の味や、正しい食べ方なども細かく記されている。

Taing氏はこのBokksuを通して、世界中のお菓子好きの人たちに、あまり知られていない日本の素晴らしいお菓子文化を届けようとしている。そしてよく想像される日本のイメージや固定概念を避けて、Bokksuでは日本の会社のブランディングでよく使われるような、派手なオレンジ色をパッケージに使うなど工夫も凝らしている。

日本の味をもっと世界に広めるため、海外用に味を変えることなくそのままの状態で提供がされている。世界中で多くの人が新しい味に寛容的になっていることもあり、日本の味そのままが世界で受け入れられつつある。