定期購読ビジネス(サブスクリプション)を展開するメディア業界が苦戦するのは、新規購読者の獲得であろう。

新規購読者の獲得に効果的な戦略を見つけるため、American Press Instituteが資金提供をして行われた、Center for Media Engagementの新しい研究がある。「News Subscriptions: What Works and What Doesn’t」と題するこの研究結果のキーポイントを今回紹介する。

読者がクリックしたくなる4つの要素

この研究は、一定の寄付者や定期購読者を持つ有名な報道機関から、米国の地元新聞社や雑誌社を対象に行われた。ニュースを定期購読する人たちが、どのような要素に反応してクリックするかを調べるために、対象機関・企業のFacebook広告、メール、ニュースレター内の広告をベースに23回のテストが行われた。(この研究では、49万のFacebookまたはメールアカウントが調べられた)

以下が、読者がニュースの定期購読に興味を持って、クリックすることに至った要素である。

  • 定期購読サービスに関する画像
  • 定期購読サービスを説明したメッセージ
  • 定期購読サービスが「無料ニュースレター配信」なのか、それとも「有料ニュースコンテンツまたはデジタルコンテンツへのアクセス」なのか
  • 定期購読サービスがFacebookやメールで、魅力的に見えるかどうか

また、調査対象社が使う戦略の中でも、より効果的であったものは以下の通りである。

  • Facebookでは、会社のロゴが含まれている画像よりも、記者が仕事をしている姿などの画像の方がクリック率が高かった
  • 定期購読サービスの宣伝をメールで行う場合、ニュースを読まないことのデメリットを謳ったメッセージは低いクリック率につながり、定期購読サービスから得られるメリットやサービスの詳細を中心にしたメッセージの方が効果的であった。
  • 無料のニュースレター配信」を謳った広告の方が、「有料ニュースコンテンツまたはデジタルコンテンツへのアクセス」を謳った広告よりもクリック数が多かった。

複数のチャネルを使ってエンゲージメントを促進

本研究では、定期購読サービスの新規登録が一番多かった方法は「メールとその他のチャネルとの組み合わせ」(例:SNS、Facebook広告、メールの組み合わせなど)だと述べている。

Facebook広告だけを見ると、広告費用とそこからの購読登録者数を比較しても、費用をまかなえるだけの登録者を獲得できるとは言い難い。だが、複数のチャネルを使ってメッセージを配信することで、その効果を高めることができる。

SNSの活用は、対象機関や企業によってその効果に関する意見は分かれている。

どの戦略が効果的かどうかは、企業やブランドによって異なる。そのため、様々な戦略をテストしてみることが重要である。