サブスクリプション型ビジネスは、会社が直接ユーザーとやり取りをすることができる、ユニークなDtoCビジネスの方法として注目を集めている。毎月商品・サービスを提供することで、ユーザーとやり取りする機会も、従来のビジネスモデルよりも多くなる。

サブスクリプション型ビジネスは、米国では特に、髭剃り製品で名を馳せたDollar Shave Clubから、愛犬のおもちゃやお菓子を受け取れるBarkBoxなど、幅広い業界で取り入れられている。商品・サービスは全く違えど、サブスクリプションサービスを提供する会社に共通しているのは、「高品質な商品・サービスを会員に届ける」ことである。

そんなサブスクリプション型ビジネスに興味がある人が必見なのが、「5つの柱」である。腕時計のサブスクリプションボックスを展開する「Watch Gang」のCEO、Matthew Gallagherが提唱する、成功するサブスクリプション型ビジネスに共通する「5つの柱」を今回紹介する。

1. 熱心なファン層

自分の商品・サービスの大ファンを作ることが、自分のブランドを成長させるために欠かせない。大ファンのコミュニティーの存在は、ブランドへの信頼と親近感も意味しており、自分のブランドが発信する商品・サービスの真の価値を理解してくれている人たちである。

このコミュニティーは、自分の商品・サービスに対して口コミを広めてくれたり、ポジティブな感想や商品・サービスの改善点を教えてくれるなど、会社にとって重要な存在である。

ビジネスの基盤となるこのファン層を大事にして、コミュニティーを広げていくことが、ビジネスに求められる。

2. 価値を届ける

なぜ必要な時に購入できる商品・サービスを、わざわざサブスクリプションに登録をして毎月受け取りたいのだろうか?なぜ、自分の商品・サービスに、毎月支払いをしてでも利用したいと思うのだろうか?

この答えは、自分が提供する商品・サービスの「価値」である。

この価値を提供するためには、普通に買えるものではない「付加価値」を会社側は提供しなければならない。

例えば腕時計サブスクリプションボックスの「Watch Gang」では、ユーザーの予算に合わせて月額29ドルから999ドルまでの幅広いプランを用意している。そして、実際購入するよりもお得に腕時計を手に入れることができる。また愛犬用サブスクリプションボックスの「Barkbox」でも、月額20ドルで40ドルの価値がある商品を受け取れるようになっている。

3. 新しい発見を届ける

サブスクリプションボックスが人気を集めた理由に、毎月新しい商品・サービスを受け取ることができる「ワクワク感」や、新しい発見への「驚き」がある。サブスクリプションボックスにより、これまで多くの人が新しいブランドやスタイルの商品を手に取る機会が増えた。

また会社によっては、サブスクリプションを超えたサービスの提供をしている。美容・コスメ商品のサブスクリプションボックス「Birchbox」では、ポイント制を導入しており、実際に試した商品をフルサイズで購入した人にキャッシュバックをするなど行っている。

「Watch Gang」では、「Wheel of Watches」というルーレットゲームを使って、会員がゲーム感覚で新しい腕時計を試すことができる機会を提供している。ルーレットを回すためには、毎月会員に止まるともらえるポイントが必要で、サービスを継続して利用するきっかけにもなっているという。

4. 素晴らしいカスタマーサービス

サブスクリプションサービスの例ではないものの、靴のネット通販会社「Zappos(ザッポス)」は素晴らしいカスタマーサービスで有名である。

カスタマーサポートを外注したり、メールのみでの問い合わせにすることでコスト削減ができるかもしれない。しかし、有料会員の人たちを「最高のお客様」として扱うことがサブスクリプションサービスが他と差別化ができるところである。

またビジネスの中でも、すぐに改善をすることができる要素でもある。1つ1つの電話の持つインパクトの大きさを考え、カスタマーサポートチームの研修を行ったり、カスタマーサポートが受け取った内容を、価値のあるフィードバックとして扱うことが求められる。

ビジネスの最前線でユーザーとやり取りをする人たちだからこそ、会社側として全力でサポートをし、会社の中でも声を上げやすい環境を作ることが大事である。

5. 誠実性を貫く

上記の述べた4つの柱を「誠実に」やり遂げられない会社は、サブスクリプション型ビジネスで安定的に収益をあげることは難しいであろう。何があっても「誠実性」を失わないことは重要である。たとえそれがコストが余分にかかってしまうことでも。

ユーザーが助けを求めて問い合わせをしてきた時こそが、会社としての「誠実性」を証明できる場面である。この時にお金をもっと要求したり、解約の希望を阻止することは、会社としての「誠実性」を失うことに繋がりかねない。

今日では、誰でもサブスクリプション型ビジネスを始められるようになったが、成功を収めるビジネスには上記に述べた5つの柱を持った「基盤」が必ずある。時間と費用をこの分野に投資をすることで、ユーザーと会社の従業員を大事にする会社・ブランドとして、ビジネスを成長させることができるであろう。