フランス新聞『ル・フィガロ』 (Le Figaro) では、定期購読サービスを提供しており、新規購読者の獲得と購読者の維持のバランスの取り方に成功している。

同社では、「解約率」の測り方について変わったアプローチをしており、購読者が解約をした後の行動について分析を行っている。

割引キャンペーンや特典、オファーなど、新規購読者を獲得する方法は幾つかあるが、実際のところ無料トライアルだけに登録をして、その後に解約をする人たちも多く、有料会員として定期購読してもらうことは簡単ではない。そのため、出版社として大事にすべきなのは、無料トライアルだけに興味があるユーザーではなく、「ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)」の高いロイヤルユーザーである。

読者が解約をするとそのまま見放す出版社も多いが、『ル・フィガロ』では、定期購読を解約した後に再登録しに戻ってくる人たちの行動をトラッキングした。そこで発見したこととして、「キャンペーンで登録しては解約をすることを何度も繰り返す人で、解約から次の再登録までのスパンが短くなると、そのまま継続して有料登録する人が多い」と指摘している。

この発見から、解約率の測り方やアプローチの仕方が変わったという。こういった行動パターンのある人たちを正しく理解するために、『ル・フィガロ』では毎月継続してサービスを使うユーザーの数、継続して利用した日数、そして再登録するまでにかかった日数をトラッキングすることで、「一定期間で4回も購読登録をしたユーザーは、継続して有料登録するロイヤルユーザーである可能性が高い」という結論を導き出した。

割引やプロモーションは、新規購読者獲得に直結する効果はあるものの、時間が経つとその効果も薄れてくる。そのため、出版社は割引などに頼らない方法で、読者に継続してサービスを使ってもらえる方法を導く必要がある。

解約したユーザーをそのまま見放し、キャンペーンを通して短期間での売上にフォーカスするような従来の戦略を見直し、出版社側でユーザーの行動パターンを深く分析することが求められているのかもしれない。