先週末、Netflix(ネットフリックス)が全世界でiOSアプリからiTunes課金を排除することを発表した。これはApp Store(iTunes)内でかかる高い手数料を回避するための手段である。これまでNetflixはiTunes内で月額支払いするユーザーに対し、売上の30%を手数料としてApple側から徴収されており、2年目からはその手数料は15%に下がったものの、その高い手数料の支払いが義務付けられていた。

NetflixはiOS内で最大のサブスクリプションアプリ

AppleはiTunes内に、下四半期には3.3億人の有料会員を保持しており、Appleは第三者アプリから2018年におよそ20億ドル(約2170億円)の売上を獲得している。そんな中、Netflixは第三者アプリのうち一番の稼ぎ頭であることもあり、今回のiTunes課金排除により、新規登録者からの売上を見込めないのは大きな打撃になると予測される。Netflix自体の有料会員は世界中で1.5億人を到達するほどの大きさで、AppStore内でも一番人気のアプリの一つである。

しかし今回の動きが他の有料会員(サブスクリプション)提供するプロバイダーのApple離れにつながるとは予想しづらい。やはりiTunes内で簡単に会員登録や支払い登録ができるのは多くの会社にとってメリットとなっているようである。

Appleの売上打撃はどれくらいに及ぶか?

2019年にNetflixが世界規模で有料会員数を2100万人獲得した場合、そのうちの20%がiOSからきていると考えると、その数は400万人に及ぶ。iOSを使っているユーザーはスマートフォン業界の内で13%と少数派ではあるものの、iOSユーザーはその利便性からNetflixに登録する可能性が高いと考える。

ユーザーごとの平均月額料金が11ドルとすると、一年にiOS経由の新規登録者から発生する売上は5.5億ドル(約600億円)に相当する。このユーザー数はAppleでは一年で1.6億ドル(約174億円)の売上分に匹敵すると考えられ、その分の売上損失につながる。そして既存ユーザの毎月の支払いから得ていた手数料分も加算すると、売上損失は年々増えることになり、2020年には2億ドルに、2021年には2.5億ドル分になると考えられる。

Appleの昨年の売上が2650億ドル(約29兆円)であるのを考えると、その損失はそこまで大打撃ではないものの、Appleにとって手数料による売上は純利益だったことを考えると、その影響も多少のものとはいい難いであろう。

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