ニューヨーク・タイムズ社は、5月8日に第一四半期の実績を発表し、かつて強力であった紙媒体の新聞ビジネスをおさえて、デジタル広告・デジタル定期購読ビジネスの収益が上回ったことを発表した。

デジタルと紙媒体を合わせて、現在の定期購読者数は450万人を超えており、そのうち350万人が、ニューヨーク・タイムズ社が提供するオンラインサービスを利用している。第一四半期には、ニュース、クロスワードパズル、クッキングのコンテンツに新しく22.3万人を追加しており、昨年よりも29%の増加を見せている。

デジタル広告においても、同社のポッドキャスト番組「The Daily」の反響により、19%の増加である5500万米ドル(約60億円)の売上を出している。紙媒体の人たち向けデジタル定期購読とデジタル広告を合わせた収益は、16%の伸びを見せており、1.6億米ドル(約180億円)である。

紙媒体の新聞ビジネスが衰退してきているなか、このデジタルでの成長はニューヨーク・タイムズ社にとって未来がかかっている。昨年には、2020年までに売上8億米ドルの目標を達成できるペースで進んでいることを発表しており、2025年には有料購読者数を1000万人までに増やす目標を掲げている。

ニューヨーク・タイムズ社は、新規デジタル定期購読者を獲得するために、マーケティングに予算を費やしており、第一四半期では4700万米ドルがマーケティング費用として費やされており、今後もその数は伸びると予想されている。

新規購読者の獲得のために、割引などのプロモーションも行っていたため、今年最初の3ヶ月の一人あたりの売上は平均で月額11.94ドルであり、これは昨年の同時期の月額14.95ドルよりも低くなっている。

2025年までに定期購読者数を1,000万人まで伸ばす目標を達成しなければならないこともあり、この一人当たりの平均売上が減ることは、すでにニューヨーク・タイムズ社の予想範囲内だという。この目標達成のためには、ニューヨーク・タイムズ社では毎四半期に約20万人の新規購読者を獲得しなければならなくなるが、この数字は依然と困難な面が残る。

ニューヨーク・タイムズ社では、新サービス「Parenting」をローンチしたばかりであり、このサービスで子育てをする親向けに情報を発信する。このサービスは、同社の「Times Crossword」やクッキングアプリと同様に、独立したサービスであり、今後定額制サブスクリプションとして売り出す予定である。

またニューヨーク・タイムズ社では、テレビ番組である「The Weekly」を開始する予定であり、6月よりFXとHuluにて視聴できるようになる。ポッドキャスト番組「The Daily」と、紙媒体で成功を収めてきたニューヨーク・タイムズ社は、今後はテレビ界や動画配信サービス市場にも参入していくようである。