ニューヨーク・タイムズ誌(The New York Times)は、2018年に初めて、定期購読(サブスクリプション)サービスの売上が、同社の広告売上を超えて、社内で波紋を呼んだ。今では7:3の割合で、定期購読による売上が半数以上を占めている。

ニューヨーク・タイムズ誌は、2014年以来、定期購読者数を100万人から350万人まで伸ばしている。2025年までには、その数を1,000万人まで伸ばすことを目標としている。

定期購読者数を今後増やすにあたり、ニューヨーク・タイムズ誌では、マーケティング技術を進化させることにも注力している。「MarTech(マーテック)」と呼ばれるこの革命は、企業がマーケティング活動にIT技術を取り入れることで、より効果的なビジネスを展開することを目的としている。

ニューヨーク・タイムズ誌のプロダクトマーテック代表のDella Motta氏は、マーテック役職の必要性を説明している。「マーケティングの問題も、詳細に見るとエンジニアで解決できる問題であることがよくある。エンジニアチームとマーケティングチームは別の部署で働いており、互いに異なる専門用語を使うため、互いが混じり合うことが少ない。そこがマーテックの出番である。」

例えば、マーケティングチームは、時に間違ったオーディエンス設定をし、間違ったメッセージをターゲットに配信することがある。しかしこれはツールの技術をうまく使いこなせていないことが問題であり、マーテック側ではマーケティングチームが適切に技術を操れるよう、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)などを説明したトレーニングを受けさせているという。

またマーテックの存在のメリットとして、代理店や代理店が提供するセットサービスに頼らずに済むことである。

これまで代理店に任せて、ツール提供企業とともにセットサービスを作り、キャンペーンなどを管理していた。そうすると自然と、コストだけがかかっていたという。ビジネスのデジタル化が進むと、セットサービスへの需要が減り、代理店ではなく社内で導入できるワン・ストップの技術を使うようになったという。

マーテックは、これら以外にも、ファイナンスチームや会計チームも巻き込んでビジネスの決断を行っている。新しいサービスを作る際には、何を作ろうとしていて、何のサービスを提供し、それにどれくらいのコストがかかるかをファイナンスチームに説明する必要がある。

全体として、マーテック担当者は、すべての関連部署をくっつけ、歩調を合わせながらタスクを進めることが重要である。この努力を進めることでチームは「このKPIは実現可能な範囲だろうか」などの疑問に答えることができるという。