デジタル新聞の定期購読ビジネスを展開する多くの新聞・出版会社では、購読者数を増やすために国際市場にまでリーチを拡大させている。そしてこの国際市場が、ビジネスの成長の鍵となっている。

11月6日、ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)では、読者のうち20%が海外のユーザーが占めていると発表している。そして2025年までには、海外ユーザーの数を1,000万人の購読者の5分の1を占めるまでに拡大させることを目標としている。

国際市場に目を向けているのはニューヨーク・タイムズだけではない。ガーディアン(The Guardian)でも、2018年の英国での全体売上と比べて、14%が米国とオーストラリアのユーザーが占めていると述べている。国際市場のなかでも、米国が占めているのはたったの30%だが、ガーディアンの寄付モデルに参加して寄付をする人の半分が米国という結果も出ている。

また、ワシントン・ポスト(The Washington Post)では、11月20日からインド市場向けに特別サブスクリプションサービスを月額99ルピー(約150円)で展開するなど、国際市場にも注意を向けている。

具体的な国際的な取り組みとして、ニューヨーク・タイムズでは、米国外での英字紙読者層の開拓に乗り出すためにスペイン語、フランス語、中国語など多言語で展開をしている。

またガーディアンでは、寄付金を募ることで売上を出す寄付モデルを採用しており、2020年までに購読者数を200万人まで伸ばすことを目標としている。その中で、寄付モデルを国際規模で宣伝することで、これまでに30万人の米国人が寄付金を支払いサポーターになっている。

オンライン定期購読ビジネスを国際規模で展開するのは複雑なプロセスだが、さらに決済システムを市場に合わせてローカライズすることも容易なことではない。例えば、EU圏ではVAT(付加価値税)がかかるが、国によって税率が異なることもあり、それだけでさらに複雑さが増す。どの国でビジネスを展開するとしても、その市場に合わせてローカライズしてテストを繰り返すことが重要である。