今年、52%の米国出版社が「定期購読(サブスクリプション)」ビジネスが主要収益源であると述べている。そのため、読者に定期購読をしてもらうことが大きなビジネス課題となっている。

Media Insight Project調査では、そんな定期購読まで至る経路の分析を行った。4分の1以上の回答者は、新聞などを定期購読する理由として「ジャーナリズムの支援」を挙げている。これは特に、アメリカ大統領選でトランプ氏に有利な「フェイクニュース」が大量に出回った事件を皮切りに始まっている。これを受けて、例えばニューヨークタイムズのように、報道者が直接ニュースを深く解説したコンテンツや、ニュースを解説したポッドキャスト番組「The Daily」を提供する方法は、コンテンツの質を伝えるものとなり、効果的だと言える。

また他の4分の1の回答者は、お金を払ってでも読みたいコンテンツがあることを定期購読する理由として挙げている。特に、地元のニュースやスポーツは人気有料コンテンツである。これらのコンテンツを使って、定期購読を促すことができるであろう。例えば、「The Dallas Morning News」のような地元紙であれば、地元の広告スポーツを特集することが効果的である。

また、16%の人が定期購読をする理由として「大きな人生の節目」を挙げている。これは、引っ越しや転職活動などがある。この人たちをターゲットにするには、地元の不動産、大学、会社員の人たちにリーチをする必要があるだろう。例えば、フィナンシャル・タイムズでは、世界中の16〜19歳の学生を対象に、有料コンテンツに無料でアクセスできるようにすることで、将来の読者を育てる活動も行っている。

一方で、定期購読率を高めるために効果的な戦略を、実際に具体例とともに紹介する。まず、ウォール・ストリート・ジャーナルの例である。同誌では、米国で問題視されている「サブスクリプション疲れ(subscription fatigue)」を考慮して、「解約の簡単さ」を説明したメッセージで、10%も定期購読率を増やすことに成功した。

またシアトル・タイムズでは、定期購読の申し込み時に入力する項目を24個から9個に減らしただけで、35%も定期購読率の伸びが見られたと述べている。

さらに、Center for Media Engagementの調査によると、定期購読をしてもらうことを目標とするのではなく、まずは「メルマガ登録」をしてもらうことを目標に設定すべきと説いている。そして、定期購読をメルマガ登録後の目標に設定するのである。またメルマガに登録してもらった時には、様々なメッセージを試すことで定期購読を伸ばす戦略を立てることができる。実際に、定期購読を促す時には、定期購読をすることで何を失うかではなく、「何を得ることができるか」(例:プレミアム会員限定コンテンツなど)に焦点を当てたメッセージが効果的だったという結果も出ている。