定額制動画配信サービス(OTT)を提供する企業が直面する課題に、解約率がある。これは同様に定額制のサービスを展開するメディア企業でも抱えている問題ではあるが、動画配信サービスとは少し性質が変わる。

それは、登録者が見たい番組やドラマのシリーズやスポーツのシーズンに大きく影響されるからだ。そのため、Sky’s Now TV、Netflix、Amazonなどの動画配信サービスでは、年間登録ではなく、月額制での登録が人気である。月額料金も1,000円以下のところが多く、安くて手軽なところも、簡単に見たいコンテンツを見終わると解約する確率が高い要因となっている。

このような理由から、「Amazonプライム」やスポーツ専門番組「Dazn」では、年間登録の方がお得になるような料金設定を行っている。また今年の3月には、Daznでは月額料金を米国で19.99ドルまで値上げをしており、その代わりに99.99ドルの年間プランを新しく提供している。(年間プランでは、月額8ドル以下になりお得である)

また、「Dazn」では米国ボクシング試合の放映権を保持しており、2つのサブスクリプションプランを展開している。一つが定額制で支払いをするプランで、もう一つが見たコンテンツ分だけ支払いをするプランである。この2つのプランを用意することで、ユーザーが自分のニーズに合わせてお得に視聴できるようになっている。またスポーツコンテンツでは特にシーズンが需要に大きく影響するため、シーズンオフ時にはサブスクリプションを解約する代わりに一時停止できる機能を追加したことで、再登録者が140%増加している。

動画配信サービスは、ケーブル放送などと比べると新規ユーザー獲得にコストはそこまでかからないと思われていたものの、そのコスト費用は上がりつつある。Netflixの場合では、グローバル規模で新規ユーザー獲得に60ドル以下かかると言われているが、米国ではほとんどの世帯ですでにNetflixを使用していることと、200種類もの動画配信サービスが存在することから、Netflixが米国で新規獲得にかかるコストが200ドル近くになるという。

そこまでコストがかかる新規獲得だからこそ、ユーザーのニーズに応えたプランの提供で解約を防ぎたいものである。