厚生労働省では、大病院の利用で医療費がかさむ問題を受け、患者がかかりつけ医を任意で登録し、診察料を月単位の定額として過剰な医療の提供を抑える仕組みの検討を始めた。

日本の公的医療保険では、どの病院でも受診を受けることができる。しかし、その受診回数の多さにより、医療費の伸びに繋がる課題を抱えている。OECDによると1人が医療機関を受診する回数は英国の年5回(2009年)、ドイツの年10回(15年)に対し、日本は年12.8回(15年)である。

また、定額制にすることで、病院に行くたびに料金がかかる現状より割安になり、検査や投薬が過剰にならない診療を促すことになる。さらに、定期的な診察により、病気の予防や早期発見も期待できる。

厚生労働省では、かかりつけ医として登録できる医療機関の要件を検討している。要件には、大病院との連携や診療時間外の対応も可能かなどが含まれると考えられる。

すでに、糖尿病や認知症など複数の慢性疾患を持つ患者に対しては、定期制が導入されている。月の医療費は約1万5000円で、患者の負担は1~3割だが、今後定額制の対象を広げた場合の負担の水準は今後見直される予定である。

この「かかりつけ医」は、すでに欧州で定着している。英国では居住地域の診療所からかかりつけ医を選び、かかりつけ医の紹介なしでは大病院で治療を受けられない仕組みとなっている。