イギリス新聞「デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)」は、2年前に登録制のプレミアムサービスに切り替えたことで、40万人の有料購読会員と500万人の登録ユーザー数を突破したことを発表した。

有料会員制に移行を見せるデイリー・テレグラフでは、現在本サービスが売上全体の54%を占めるまでになった。しかし初期段階でもあり、2018年の売上は2億7800万ポンドで2.6%の減少をみせており、税引前利益では88%減少している。

しかし、デイリー・テレグラフグループのCEOである、Nick Hugh氏はこの結果に対して前向きな考えを示している。そして、デイリー・テレグラフグループでは、1000万人登録ユーザーと100万人の有料購読会員を2023年までに達成することを次の目標として掲げている。今回は、Nick Hugh氏とのインタビューにて、今後のデイリー・テレグラフの定期購読ビジネスに迫る。

最近発表された結果について

数字は芳しくないように見えるものの、810万ポンドの営業利得を保持しているのは強固なベースになっている。広告ビジネスからサブスクリプション型の定期購読ビジネスに移行をしている私たちにとって、ビジネスの再構築が求められており、その移行期に利益を出し続けることが重要なポイントとなっている。2019〜2020年にはより利益を生み出すことができると信じている。もちろん、コストがかかることもあり、現在は売上も2.6%下がってしまっているが、質のいいジャーナリストの雇用、サブスクリプション技術に投資をしているという投資の時期だと捉えている。

テレグラフが公開している登録ユーザー数は正しくないという話について

デイリー・テレグラフでは、登録ユーザーの数え方が厳しい。登録申請をする人にはメールを送るものの、メールが不正のものであれば登録ユーザーとして数えることはない。正しい登録情報であっても、12ヶ月以内にログインをしたことがある人を登録ユーザーとして定義をしている。

匿名でサイトを使っている人は今後価値がなくなり、登録されたユーザーを重要視している。AppleのSafariにセキュリティ機能(Intelligent Tracking Protection)が実装され、広告等のトラッキングを防ぐ仕組みも組み込まれており、今後はファーストパーティデータ(企業が自社の顧客やウェブサイト訪問者に関して収集した情報)が重要になる。私たちは500万人の登録ユーザーがあり、その数も増え続けている。サブスクリプションビジネスに移行を始めて数年だが、数字も増えており、解約や新規ユーザー獲得に対する理解も深めている。

イギリスのEU離脱(Brexit)のトピックは、サブスクリプションビジネスにどう影響しているか

政治への興味が高いことは社会としていいことで、イギリスのEU離脱に関するニュースにより購読者も増えている。しかしそれ以外にも、恋愛や人生、死、子育て、ライフスタイルなどのトピックも人気。今月で言えば、Oxbridge(オックスフォード大学とケンブリッジ大学)のプロジェクトにより購読者が増えている。しかし同じトピックだと注目も減ることもあるから、頼ることはできない。秘訣は、デジタル上でエンゲージメントを何度も高めることだと考えている。

広告ビジネスを続けながら、サブスクリプションビジネスをどのように優先して展開したいか

500万人のユーザーを登録制で管理していることで、たくさんのインサイトを得ることができている。現在の成長率には満足をしているし、今後もサブスクリプションに力を入れて優先するつもりで、紙媒体とデジタル版で多くのユーザーを購読者に変えていきたいと思っている。広告ビジネスに関しては、サブスクリプションビジネスや登録をする魅力を宣伝しており、今その戦略が上手くいっている。